日本の色名がバースデーカラーになっている日
366日のバースデーカラーのうち、134色には日本の色名がついています。江戸紫、海松藍色、浅葱色、鳥の子色、肉桂色。いずれも染色や染料、動植物、鉱物に由来する名前で、色そのものと同じくらい名前に来歴があります。134色を色の系統別にまとめ、読み方と由来、その色が割り当てられた日付を並べました。
366色のうち134色が日本の色名
366色の内訳は、日本の色名が134色、カタカナで表記される外来の色名が232色です。日本語圏のバースデーカラーが野村順一『誕生色事典』(文藝春秋、2006年)を出発点にしているため、日本の伝統的な色名が体系の三分の一以上を占めることになりました。Pantone を基準とする英語圏の Colorstrology には見られない構成です。
和名の色は月によって偏ります。最も多いのは1月の16色で、苔色・草色・萌黄色・空色・浅葱色・露草色・鴨の羽色・濃藍と、緑から青への流れを和名だけでたどれます。最も少ないのは7月の6色です。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 和名の色数 | 16 | 12 | 10 | 14 | 12 | 9 | 6 | 11 | 9 | 13 | 12 | 10 |
バースデーカラーそのものの成り立ちについては「バースデーカラーとは?」で解説しています。
赤・紅の色17色
紅花や茜、蘇芳といった染料と、桜や梅、鴇の羽の色から生まれた名前が並びます。同じ赤でも、染めた材料の名がそのまま色名になっているものが多いのが特徴です。
橙・茶の色26色
土や樹皮、香辛料、嗜好品まで、身近な素材の名がそのまま色になっています。江戸期には茶系の色名が細かく分かれ、「四十八茶百鼠」と呼ばれるほどの数が生まれました。
黄・金の色17色
山吹、たんぽぽ、蜜柑、菜の花。咲いている花や実る果実の名を借りた色が多く、季節の記憶と結びついています。鬱金や梔子のように、染料の名から来たものもあります。
緑の色26色
和名の緑は、草木の育つ段階をそのまま色に分けています。若芽色、若菜色、萌黄色、若草色、草色、深緑。芽吹きから茂りまでの時間が、色名の並びになっています。
青の色(藍・紺を含む)24色
藍染の濃度がそのまま色名になっています。薄い順に浅葱、浅葱鼠、濃藍、紺。ここに鉱物由来の群青や瑠璃、植物の露草や忘れな草が加わり、日本の色名でもっとも層の厚い系統になりました。
紫の色12色
紫は古くから高貴な色とされ、地域と時代で呼び分けられました。江戸紫と古代紫はその代表です。藤、菫、菖蒲といった花の名から来た紫も多く残っています。
白・黒・鼠の色12色
無彩色にも細かな名前があります。鼠色の前に付く語は、銀、鳩羽、葡萄、灰汁と、微妙な色味の差を指し分けるためのものです。「四十八茶百鼠」の鼠がこれにあたります。
名前に由来のある色
134色のうち、名前の来歴がとくにはっきりしている色を取り上げます。染料の名、道具の名、鳥や海藻の名。色名は、その色をどうやって手に入れていたかの記録でもあります。
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一斤染いっこんぞめ
3月1日 / #F4B3C5
紅花一斤で絹一疋を染めた淡い紅。平安時代、濃い紅は身分によって禁じられた色(禁色)でしたが、この淡さは誰にでも許された「聴し色(ゆるしいろ)」として広く使われました。
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黄丹おうに
10月1日 / #ED6E4E
紅花と支子(くちなし)で染めた赤みの強い橙。皇太子の袍に用いられた色で、こちらは逆に一般には使えない禁色でした。
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江戸紫えどむらさき
3月24日 / #47266E
武蔵野に自生する紫草の根で染めた、青みを帯びた紫。京で古くから染められた赤みの古代紫と対をなし、江戸と京の対比がそのまま色名になっています。
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古代紫こだいむらさき
3月20日 / #71478F
江戸紫に対して、より赤みの強い伝統的な紫。「古代」は古くからの染めであることを指します。
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海松色みるいろ
2月14日 / #4D524D
海松(みる)は海藻の名前です。その暗く沈んだ緑を写した色で、藍を重ねたものが海松藍色にあたります。
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鴇色ときいろ
3月3日 / #F19DB5
トキの風切羽に見られる淡い紅色。鳥そのものが希少になった今も、色名として残っています。
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浅葱色あさぎいろ
1月22日 / #009EDD
葱の葉の薄い色から。藍染の薄い段階を指す名でもあり、新選組の羽織の色としても知られます。
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白群びゃくぐん
8月13日 / #84BAE5
岩絵具の群青は、細かく砕くほど明るく淡くなります。その淡い段階の青が白群です。
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葡萄鼠えびねず
1月6日 / #4C4948
葡萄色(えびいろ)に鼠色を重ねた名。江戸期には茶と鼠の細かな色名が数多く生まれ、「四十八茶百鼠」と呼ばれました。鳩羽鼠、灰汁色、利休白茶も同じ系譜にあります。
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鶯色うぐいすいろ
2月13日 / #59574D
実際の鶯の羽は茶がかった緑褐色で、うぐいす餅のような明るい黄緑とは異なります。この色は前者を写したものです。
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砥粉色とのこいろ
3月11日 / #FAD09E
刀剣や木工の仕上げに使う砥石の粉の色。道具の名がそのまま色名になった例です。
色名の五十音索引
134色を読み方の五十音順に並べました。色名から、その色が割り当てられた日付を探せます。
あ行
- 青藤色あおふじいろ#8C93C8 / 4月5日
- 茜色あかねいろ#B81B35 / 7月23日
- 灰汁色あくいろ#898880 / 11月23日
- 浅葱色あさぎいろ#009EDD / 1月22日
- 浅葱鼠あさぎねずみ#367195 / 9月17日
- 葦葉色あしばいろ#88C897 / 4月23日
- 亜麻色あまいろ#E8D1B5 / 12月1日
- 飴色あめいろ#BA5154 / 12月19日
- 洗朱あらいしゅ#EF856D / 12月13日
- 一斤染いっこんぞめ#F4B3C5 / 3月1日
- 鶯色うぐいすいろ#59574D / 2月13日
- 鬱金色うこんいろ#F5AF7D / 2月22日
- 薄浅葱うすあさぎ#2EB6AA / 4月29日
- 薄群青うすぐんじょう#147FC4 / 6月30日
- 薄桜うすざくら#F9D1CC / 4月1日
- 薄紅色うすべにいろ#D7AACD / 5月31日
- 薄紅藤うすべにふじ#CFA7CD / 3月16日
- 薄緑色うすみどりいろ#E1EFD8 / 4月8日
- 裏葉色うらばいろ#BFD1BB / 2月26日
- 江戸紫えどむらさき#47266E / 3月24日
- 海老茶えびちゃ#6D2C2F / 6月23日
- 葡萄鼠えびねず#4C4948 / 1月6日
- 臙脂色えんじいろ#94314C / 7月22日
- 黄土色おうどいろ#BE8B67 / 6月16日
- 黄丹おうに#ED6E4E / 10月1日
- 鸚緑おうりょく#35A34A / 4月22日
- オリーブ色おりーぶいろ#627546 / 5月14日
- オリーブ茶おりーぶちゃ#715500 / 5月18日
か行
- 柿色かきいろ#E94720 / 3月13日
- 褐色かっしょく#703E00 / 9月15日
- 樺色かばいろ#BB591F / 11月9日
- 鴨の羽色かものはいろ#007199 / 1月24日
- 芥子色からしいろ#947F29 / 10月23日
- 枯草色かれくさいろ#C1BE6D / 5月13日
- 枯葉色かれはいろ#543923 / 11月30日
- 黄色きいろ#FFFBC7 / 8月15日
- 黄水仙きずいせん#FED400 / 6月11日
- 金茶色きんちゃいろ#BD771A / 6月21日
- 銀鼠ぎんねず#B4ADAA / 10月19日
- 草色くさいろ#628E34 / 1月10日
- 梔子色くちなしいろ#FACE9D / 4月9日
- 栗色くりいろ#675953 / 10月29日
- 栗梅くりうめ#946344 / 12月3日
- 栗皮色くりかわいろ#6E2400 / 10月13日
- 黒柿色くろがきいろ#3E2F32 / 7月28日
- 黒茶くろちゃ#3E2F29 / 11月3日
- 黒紫くろむらさき#4A412B / 12月5日
- 桑の実色くわのみいろ#3C276F / 8月11日
- 群青色ぐんじょういろ#0167B3 / 5月7日
- 消炭色けしずみいろ#4F4946 / 4月19日
- 濃藍こいあい#005886 / 1月25日
- 柑子色こうじいろ#F7AB00 / 8月18日
- 紅梅色こうばいいろ#EC6E71 / 3月8日
- 小鴨色こがもいろ#004B1D / 5月4日
- 苔色こけいろ#7E972D / 1月9日
- 小鹿色こじかいろ#937648 / 11月2日
- 古代紫こだいむらさき#71478F / 3月20日
- 小麦色こむぎいろ#CE7D4F / 7月20日
- 紺色こんいろ#1D2569 / 2月19日
- 紺青色こんじょういろ#003B90 / 7月13日
- 紺瑠璃こんるり#273C90 / 8月8日
さ行
- 桜色さくらいろ#F6BEBC / 3月6日
- 桜貝色さくらがいいろ#F8C7C6 / 11月16日
- 鮭色さけいろ#F29B87 / 12月12日
- 錆納戸さびなんど#3B7170 / 10月27日
- 珊瑚色さんごいろ#EA5532 / 3月9日
- 紫紺しこん#1C1D80 / 8月31日
- 漆黒しっこく#14151A / 1月7日
- 朱色しゅいろ#E83719 / 12月14日
- 純白じゅんぱく#FFFFFF / 1月1日
- 菖蒲色しょうぶいろ#655884 / 12月23日
- 白百合しらゆり#F1F6DA / 4月7日
- 新橋色しんばしいろ#0B8CA6 / 7月6日
- 砂色すないろ#C9B69E / 11月12日
- 墨色すみいろ#422A00 / 11月15日
- 菫色すみれいろ#3B1F87 / 6月2日
- 石板色せきばんいろ#595757 / 10月22日
- 千歳茶せんざいちゃ#303B2D / 5月19日
- 空色そらいろ#2CA9E1 / 1月21日
た行
- 代赭色たいしゃいろ#772B2E / 10月15日
- 煙草色たばこいろ#824B00 / 8月26日
- 卵色たまごいろ#F9C485 / 6月19日
- 淡水色たんすいいろ#83CCD2 / 9月7日
- たんぽぽ色たんぽぽいろ#FDD000 / 1月28日
- 千歳緑ちとせみどり#0C6C4B / 5月8日
- 丁字色ちょうじいろ#D09177 / 10月5日
- 露草色つゆくさいろ#0087C2 / 1月23日
- 鉄色てついろ#002A2C / 9月5日
- 鉄紺てつこん#00393C / 9月10日
- 鴇色ときいろ#F19DB5 / 3月3日
- 砥粉色とのこいろ#FAD09E / 3月11日
- 鳥の子色とりのこいろ#FEECD2 / 2月20日
な行
は行
- 灰桜はいざくら#DBBFDB / 5月30日
- 膚色はだいろ#F5B091 / 11月27日
- 鳩羽鼠はとばねずみ#727172 / 10月21日
- 鳩羽紫はとばむらさき#71686C / 10月28日
- 緋色ひいろ#E8354A / 9月28日
- ひまわり色ひまわりいろ#F7AF00 / 6月13日
- 白群びゃくぐん#84BAE5 / 8月13日
- 白緑びゃくろく#A5D4AD / 1月12日
- 鶸色ひわいろ#A8D182 / 9月24日
- 深緑ふかみどり#0C6C50 / 1月15日
- 藤鼠ふじねずみ#41648C / 8月12日
- 紅色べにいろ#D60068 / 2月11日
- 紅藤色べにふじいろ#CE93BF / 2月4日
- 弁柄色べんがらいろ#ED6E35 / 10月2日
- 牧草色ぼくそういろ#0E955A / 9月2日
ま行
ら行
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参考文献: 野村順一著『誕生色事典 : 「色の秘密」366日』.